一生を共にする相手と結ぶもの、というのが婚姻関係だと捉えている人はきっと多いのではないかと思います。
だからこそ、そんなパートナー以上に好きな人ができてしまった時、離婚を考えてしまう人も少なくありません。
とはいえ、結婚する時以上に、離婚手続きとは煩雑なもの。そう簡単にはできないものです。
浮気や不倫の状態に陥ってしまう前に離婚したいと考えるのはある意味その人の持つ誠実さゆえなのかもしれませんが、そもそも、タスキを理由に離婚はできるものなのか？離婚するのはアリなのか？ということも気になりますよね。
そこで今回は、他好きが原因で離婚したいという考えが頭をよぎった人に向けて、好きな人ができたことで離婚したい場合にはどうしたらいいのか、について解説していきたいと思います。
他好きで離婚する前に考えるパートナーのこと
今あなたはパートナー以外の好きになってしまった人のことばかりで頭がいっぱいだと思いますが、離婚するか否かの判断を下す前に、まず考えるべきは今のパートナーのことです。
あなたはパートナーのことが嫌いですか？
何らかの理由によりパートナーに対してすでにほとんど、もしくは一切愛情がないというなら、離婚を勧めてもあまり問題はないでしょう。
ですが、パートナーのことは好きで、ただそれ以上に好きな人が現れてしまったから離婚したいんだという考えに至っているのだとしたら、もっと慎重に考えるべきです。
今一度、他好き相手ではなく、パートナーに対するあなたの想いを冷静に見つめ直してみてください。
パートナーに対して愛情が残っている場合、離婚するのは難しい
もしあなたが今後顔を合わせたくないほどパートナーを嫌っているのではなく、少なからず愛情が残っているという場合、離婚するのは難しいかもしれません。
その理由についてここからは見ていきましょう。
パートナーに離婚を拒否される可能性大
あなたが一方的にパートナーを好いている、ないし2人の間が既に夫婦生活の継続が困難なほど冷え切っているのではない限り、あなたが離婚を切り出したところで相手から拒否される可能性が高いでしょう。
パートナーにとっては離婚するメリットも理由もないからです。
仮にあなたが正直に他好きしてしまったこと告白したとして、そんな身勝手な理由に相手が納得するはずもありません。
もしかしたら相手がまだ若い、もしくは互いに経済的に自立可能なケースであれば、今後のお互いの人生の次のステップへ、と最終的には離婚できる可能性もゼロではありません。
ですがこの場合もあなたの方に離婚の原因があるわけですから、金銭的に解決する、という結論になる可能性が高いでしょう。
今の家庭に未練を残すことになる
今は他好き相手のことしか眼中にない、という状態かもしれませんが、パートナーのことが嫌いになって離婚するわけではありませんよね。
他好き相手と結ばれたとしてもいずれその人との生活に慣れれば燃え上がっていた恋心も落ち着いてきます。
そのとき、今あなたが別れを告げようとしている家族に対する未練が湧き上がり、前の家族はこうだったのに、と比較してしまうというケースは往々にして発生しえます。
また、他好き相手が善い人であるほど、自分のことが原因であなたを離婚させてしまった罪悪感から、再婚に至れない可能性も出てきます。
そうなってしまうと、最後には何のために離婚したのかわからない、といった状態に陥ってしまうことも考えられるのです。
子持ちの場合、離婚のハードルはさらに上がる
夫婦の間に子どもがいる場合、離婚によって影響を受ける人数がさらに増えることになるため、よりハードルが上がります。
パートナーだけではなく、苗字変更に伴う学校生活の影響や、場合によっては住まいが変わり転校となってしまうなど、子どもの心のケアも考えなければならなくなります。
親権はパートナーが得ることになる可能性も高く、一緒に暮らせなくなるでしょうし、離婚時の状況によっては面会も許されないかもしれません。
また、慰謝料のほかに養育費という負担がかかってくることも無視できません。お子さんがまだ小さいとなれば、今後20年近く毎月支払わなければならなくなってきます。
仮に離婚後他好き相手と一緒になりたいと思っても、こうした経済的な負担を理由に再婚まで叶わないといったケースもあり得るのです。
好きな人と幸せになるよりも、離婚の大変さの方が勝ってしまうケースは少なくないのです。
家庭があるからこそ今の恋愛が楽しめているのかも？
家庭がありながら別の人との秘密の恋愛を楽しんでいる状態というのは、罪悪感や背徳感、いつかバレてしまうのではないかというスリルと隣り合わせで、とても刺激的なものです。
そして、仮にその夢のような秘密の恋を失ったとしても、婚姻関係を継続していればあなたには安心して帰ることのできる家庭があります。
ですが、離婚してその家庭を失った場合はどうでしょうか。
いずれ秘密の恋という夢から覚めて現実を見た時、他好き相手と必ずしも安心できる家庭を築けるとは限りません。
また、夢から覚めるのと同時に、他好き相手に対して抱いていた幻想も解かれ、あんなに絶望していた相手だったのに、と幻滅してしまう可能性もあるのです。
実は、家庭がありながら恋をしている今の状態だからこそ、相手に夢中になれている可能性もあるということなんですね。
他好きしている状態で結婚生活を続けるのはパートナーに対して失礼？
好きな人ができれば、仕事の後や休日に相手と過ごすために家族に嘘をつくことも多々あるでしょう。
家族の信頼を裏切り続けている自分に、良心の呵責を覚えることもあるかもしれませんね。このままパートナーとの結婚生活を続けていては相手に失礼なんじゃないかと考える人もいるでしょう。
しかし、ここで嘘をつき続けることのいたたまれなさから離婚を選択することは誠実な行為とはいえません。
なぜなら、パートナーのためと言いつつ、あなたがあなたのために離婚を選ぼうとしていることに変わりはない、つまり自分本位な行動だからです。
そして、家族に嘘をついてまで家庭外で恋愛を楽しむあなたを知った時にあなたのことを許すか許さないかは、あくまでパートナーが判断することだということも忘れてはいけません。
パートナーに対して誠実でありたいなら、秘密の恋を終わらせて真摯に家庭に向き合う以外の選択肢はないのです。
パートナーのことは嫌いではないけれど、他好き相手と別れるよりも離婚する方が楽だと感じるなら、あなたはパートナーに甘え、現実から目を背けて逃げているだけなのです。
他好きしていること以外に事情があるなら離婚するのもアリ
もしも今他好きしているという事実を除いても、パートナーに対する愛情がなかったり、離婚に至っても致し方のない事情があるなら、離婚するのもアリでしょう。
たとえば性格や金銭感覚の不一致などから喧嘩が絶えない状態であったり、相手が既に浮気や不倫をしている、セックスレス状態にある、自分や子どもに対してDV・モラハラなどを行なうパートナーだったなどですね。
というのも、離婚はあくまで夫婦間の問題であって、他好き相手には直接関係ないことだからです。
つまり、夫婦として、パートナーに問題がある、あるいは双方の間に婚姻関係の継続が難しいほどの溝があるのか否かを焦点に離婚するかどうかは決めるべきなのです。
もしこうした事情がなく、単に好きな人がほかにできたからという理由だけで離婚したいと考えているなら、単に他好き相手に依存しているだけかもしれません。決断を下すのは時期尚早と言えるでしょう。
また、離婚協議を進めると決めた場合も、他好き相手のことは一旦脇に置いておくことです。
好きな人ができたことをパートナーに告げるのはトラブルを大きくする元になるだけですし、繰り返しになりますが離婚は夫婦間のことですので、パートナーとの関係性や問題点に焦点を当て、話し合うようにしましょう。
協議離婚がうまくいかないようなら弁護士に相談を
夫婦間で話し合って離婚手続きを進める協議離婚は、特にパートナーが離婚を拒否している場合はうまくいきません。
その場合は調停や裁判に進んでしまう可能性が高いため、代理人として動いてくれる弁護士に早めに相談しましょう。
きっとあなたが不利にならないよう、離婚手続きを進めてくれるはずです。
最後に
結婚しているパートナーに対してずっと一途でいられれば良いですが、長い婚姻生活の中でほかに好きな人ができてしまうこと自体は、人の心の問題ですから仕方のない側面もあるでしょう。
しかし、あなたとパートナーとの夫婦関係をどうしていくかについては、他好き相手は直接的には関係ありません。
まずは、他好き相手のことは抜きに、パートナーのことをどう思っているのか、今後夫婦としてどうしていきたいのかを考え、その上で離婚に進むのか、慎重に考えていくべきです。
一時の感情で離婚しようとしても、離婚自体がスムーズに進まない、そして離婚してからもその選択を悔いる可能性が高いからです。
あなたの幸せのための選択ができるように、本記事が参考になれば幸いです。
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